本州の最西端に位置し、古くから貿易港として栄えた下関には、明治時代から大正時代にかけて建てられた西洋建築物が現在でも多く残っています。現在は、一般に開放されている建物もあり、当時の様子を伺うことができます。そこで、今回は下関にある近代建築物を5ヶ所ご紹介します。
大正9年に三井銀行 下関支店として建築されました。
「山口銀行旧本店」は、大正9年(1920年)に三井銀行 下関支店として、建築家 長野宇平治の設計・監督により建築されました。平成17年には山口県指定有形文化財となり、現在は一般公開されています。営業カウンターをはじめとした内部設備から当時の銀行の様子をうかがうことができます。
隣接地には「やまぎん史料館」があり、金融に関する史資料や、山口県の伝統工芸の展示もされています。
現役の郵便局舎としては日本最古のもの。
「下関南部町郵便局」は、明治33年(1900年)に当時の赤間関郵便局が電信局を統合し、新築移転されたものです。現役の郵便局舎としては日本最古のものであり、下関に現存する最も古い洋風建築物でもあります。局内には資料展示コーナーのほか、カフェが併設されたギャラリーや中庭があります。
西日本で最初の鉄筋コンクリート造の事務所建築。
「旧秋田商会ビル」は、海運会社であった秋田商会の事務所兼住居として大正4年(1915年)に建てられました。西日本で最初の鉄筋コンクリート造の事務所建築であり、国内に現存する同種建築物としては最古級のものです。
現在は建物内部が一般公開されています。夜間は下関南部町郵便局と共にライトアップされます。屋上は一般公開はされていませんが、日本庭園と茶室を備えられています。
領事館の建物としては日本に現存する最古。
「旧下関英国領事館」は、明治39年(1906年)に建築されたもので、領事館として使用する目的で建てられた建物としては、わが国に現存する最古のものです。平成11年(1999年)には国の重要文化財に指定されました。
建物の1階は展示室、2階は飲食店として営業されており、本格アフタヌーンティーが人気です。またピーターラビット™が公式キャラクターとなっています。
大正13年に旧逓信省「下関電信局電話課庁舎」として建てられました。
こちらの建物は、大正13年(1924年)に旧逓信省「下関電信局電話課庁舎」として建てられました。このような電話局舎は、大正末期から昭和初期に全国各地に見られましたが、現存するのはここだけとなっています。
現在は、「田中絹代ぶんか館」として公開されており、下関市丸山町で生まれた女優・映画監督の田中絹代(1909年〜1977年)の遺品や映画資料のほか、下関にゆかりのある近代以降の文学者の作品などが展示されています。
いかがでしたか?普段に目にする機会は多いけど、中に入ったことのあるものは少ないのではないでしょうか?ご紹介した建築物は下関市の唐戸地区に密集しているので、海響館などの観光の前後や、中には飲食店等が併設されているところもあるので、食事に訪れるのもオススメです。
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